持分法適用関連会社に係るのれんの減損②

持分法適用会社に係るのれんの減損については、以下の規定があるものの、これ以上の具体的な記述や設例等は特に見当たらず、具体的なイメージが掴みづらく感じられます。

固定資産の減損に係る会計基準の適用指針
94. 持分法の適用において、投資会社の投資日における投資と、これに対応する持分法適用会社の資本との間の差額(以下「持分法適用会社に関するのれん」という。)は、関連会社株式などの投資に含められ、連結子会社に関するのれんと同様に処理されている(企業会計基準第16 号「持分法に関する会計基準」第11 項及び会計制度委員会報告第9 号「持分法に関する実務指針」第9 項参照)。このため、持分法適用会社に関するのれんは、減損の兆候の把握においても、連結子会社に関するのれんと同様に取り扱われる。ただし、持分法は投資額を修正する会計処理であり、連結子会社に関するのれんと異なり、持分法適用会社に関するのれんを持分法適用会社の各事業へ分割する必要はないと考えられる。したがって、持分法適用会社に関するのれんの減損処理は、原則として、当該持分法適用の出資全体に関して適用されると考えられる。
なお、個別財務諸表において、取得原価をもって貸借対照表価額とされている子会社株式及び関連会社株式にも、のれん相当額は含まれているが、それは別途、把握されておらず、したがって償却もされていない。このため、当該のれん相当額は減損会計基準及び本適用指針でいうのれんには含まれず、当該株式は金融商品会計基準に従って会計処理されることとなる。


これに関連して、企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した「企業会計基準等に関する適用後レビューの計画策定についての意見の募集」に対して、日本公認会計士協会は以下のようなコメントをしています。

質問3(企業会計基準等の適用にあたり、ガイダンスの不足等により解釈上の問題が生じていないか(第5 項(2)))
(3) 企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」
(前略)
このため、持分法適用会社に関するのれんは、減損の兆候の把握においても、連結子会社に関するのれんと同様に取り扱われる一方で、持分法適用会社に関するのれんの減損処理は当該持分法適用の出資全体に関して適用されるとされていることから、持分法適用関連会社ののれんの減損の兆候がある場合、減損の認識の判定にあたり、割引前将来キャッシュ・フローと比較する対象は、連結子会社と同様に、持分法適用関連会社の固定資産にのれんの帳簿価額を加えた金額なのか、投資全体に関して適用されるため、持分法適用関連会社の純資産額にのれんの帳簿価額を加えた金額なのか等、持分法適用会社に関するのれんの減損の処理に係る取扱いについて、解釈上の問題が生じているものと考える。
(太字―引用者)

この点、旬刊経理情報 2025年10月10日号(通巻No1756)「ビジネス実務相談室 持分法適用会社に関するのれんの減損検討における諸論点(経理)」が参考になるものと思われます。
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なお、持分法適用会社に係るのれんの減損処理額については、以下の通り、「持分法による投資損益」に含めて表示することとされています。

持分法に関する会計基準
27. 連結原則では、持分法による投資損益については、投資に係る損益であるため、一括して営業外損益の区分に表示し、経常損益に反映させることとしていた。本会計基準でも、このような従来の取扱いを踏襲している(第16 項参照)。なお、持分法を適用する被投資会社に係るのれんの当期償却額及び減損処理額並びに負ののれんについても、持分法による投資損益に含めて表示することに留意する。



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