OCIに対して課税される場合の具体例②

「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」について、2022年にその他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分についてのがありました。

当該改正により影響を受けることが想定される企業として、下記のような記載があります。

改正企業会計基準第 27 号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の公表 公表にあたって
I. その他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分
■ 本会計基準等の改正により影響を受けることが想定される企業
その他の包括利益に対して課税される場合に、本会計基準等の改正の影響を受けることが想定される。例えば、次のような場合が考えられる。
(1) グループ通算制度(従来の連結納税制度を含む。)の開始時又は加入時に、会計上、評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額が計上されている資産又は負債に対して、税務上、時価評価が行われ、課税所得計算に含まれる場合
(2) 退職給付について確定給付制度を採用しており、連結財務諸表上、未認識数理計算上の差異等をその他の包括利益累計額として計上している場合において、確定給付企業年金に係る規約に基づいて支出した掛金等の額が、税務上、支出の時点で損金の額に算入される場合
なお、株主資本に対して課税される場合については、従来から税効果適用指針等において取扱いが示されており、次の場合を除き、本会計基準等の改正による影響はない。
(3) 子会社に対する投資の追加取得や子会社の時価発行増資等に伴い生じた親会社の持分変動による差額に係る連結財務諸表固有の一時差異について、資本剰余金を相手勘定として繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しており、その後、当該子会社に対する投資を売却した場合
(太字―引用者)

また、当会計基準の改正の公開草案公表時には、上記の3つの場合に加えてさらに下記の2つの場合が記載されていました。

企業会計基準公開草案第 71 号(企業会計基準第 27 号の改正案)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」等の公表 コメントの募集

I. その他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分
■ 本公開草案が提案する会計処理を適用する企業
その他の包括利益に対して課税される場合として、例えば、次のような場合が想定される。
(中略)
(2) 非適格組織再編成において、会計上、評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額が計上されている資産又は負債に対して、税務上、時価評価が行われ、課税所得計算に含まれる場合
(3) 投資をしている在外子会社の持分に対してヘッジ会計を適用している場合などにおいて、税務上は当該ヘッジ会計が認められず、課税される場合
(後略)
(太字―引用者)

ただし、上記はいずれも例示であり、これら以外にも本改正の影響を受けるケースがありうることが示唆されています。

では、具体的にこれら以外にどのようなケースが本改正の影響を受けると考えられるでしょうか。

この点、旬刊経理情報 2025年3月20日号(通巻No1738)「法人税等会計基準改正等に伴う実務ポイント」が参考になるものと思われます。
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