子会社のOCIに係る一時差異に対する税効果③

支配獲得後に子会社が計上したその他の包括利益(OCI)に係る一時差異に対する税効果について以下の規定があります。

税効果会計に係る会計基準の適用指針
27. 第 22 項から第 24 項に従って繰延税金資産又は繰延税金負債を計上する場合、当該繰延税金資産又は繰延税金負債は、次の場合を除き、法人税等調整額を相手勘定として計上する。
(1) 次の子会社又は関連会社(以下「子会社等」という。)に対する投資に係る連結財務諸表固有の一時差異に関する繰延税金資産又は繰延税金負債については、その他の包括利益を相手勘定として計上する(第 9 項(2)参照)。
① 親会社等の投資後に子会社等が計上したその他有価証券評価差額金に係る連結財務諸表固有の一時差異
② 親会社等の投資後に子会社等が計上した繰延ヘッジ損益に係る連結財務諸表固有の一時差異
③ 親会社等の投資後に子会社等が計上した退職給付に係る負債又は退職給付に係る資産に関する連結財務諸表固有の一時差異
為替換算調整勘定に係る連結財務諸表固有の一時差異
(後略)
(太字―引用者)

ここで、当該一時差異に対して繰延税金資産又は繰延税金負債を計上する場合、子会社の留保利益に係る一時差異に対する税効果と同様に一時差異金額に親会社の法定実効税率を乗じることで算出すればよいのでしょうか(税効果会計に係る会計基準の適用指針第109項・115項・設例5参照)。

また、すでに子会社の単体決算でOCIに対して繰延税金資産又は繰延税金負債を計上している場合には、連結上どのように取り扱えばよいのでしょうか。

この点、下記書籍の「第4章連結財務諸表における税効果会計の個別論点」の 「Q4-8為替換算調整勘定」・「Q4-9その他有価証券評価差額金」に関連する記載がありますが、「子会社のOCIに係る一時差異に対する税効果①」でご紹介した雑誌記事・「子会社のOCIに係る一時差異に対する税効果②」でご紹介した書籍とは一部見解が異なるように見受けられます。




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東京会会計委員会研究報告書「税効果会計に関する諸論点の整理と解説」Q3-8

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